2025/04/06 16:10
小さな一筆からはじまる、言葉の贈りもの。
こんにちは、「ひなたのしおだまり」です。
「言葉を書きたくなる紙をつくりました。」
手帳にちょっとした言葉を挟んだり、 誰かへのお礼を紙に書いて渡したり。
そんな何気ない瞬間に、 “ちょうどいい紙”があったらいいなと思っていました。
この一筆箋は、つくり手として「こんなのがあったらいいな」と感じて、少しずつ、かたちにしてきたものでした。
ほぼ日手帳を使っていて、 A6のジャストサイズはメモとして手帳に挟んだ時、「ちょっとだけ、はみ出す」ことが気になっていました。
だから、あえてA6より2ミリだけ小さくしたんです。 103×146mmの、手帳にぴたっと収まるサイズ。
紙はもちろん、書く人にとって心地よいものを。
万年筆でも、鉛筆でも、さらっと気持ちよく書けるように、 **トモエリバー(クリーム)**という上質な筆記用紙を選びました。
中の罫線は160字の方眼(10×16)。 縦にも横にも書きやすく、思ったことをそのまま言葉にできるように。
そして、クロス巻きの製本。 黒い布の背が、どこか静かで、しっかりと支えてくれるような安心感があります。
手に取った人が、ふっと気持ちを落ち着けて、 「よし、書こう」って思えるような、そんな紙ものに仕上がりました。
この一筆箋が、あなたの暮らしの中にある「ちょっとした言葉」に寄り添えたらうれしいです。 手帳のポケットに。 贈りものの中に。
ふとした思いを、丁寧に手で書くその時間に。 「ひなたのしおだまり」から、 あなたの言葉が届きますように。
商品ページはこちら:[https://shop.foodmark.co.jp/items/103712722]
また、この一筆箋についての想いや裏話も、少しずつSNSやブログで綴っていきますね。
どうぞ、春のやわらかな陽だまりの中で、 今日も穏やかなひとときを過ごせますように。
そして、今日はもうひとつご報告です。
📣【創業10周年のごあいさつ】
2025年4月6日。フードマークはおかげさまで、創業から十年を迎えました。
この節目に、これまでの歩みや、これからのことを、少し長めの言葉で綴ってみました。
ぜひお読みいただけたらうれしいです。
十年という節目に 「ちいさな会社の、ちいさくない約束」
2025年4月6日。
合同会社フードマークは、創業から十年を迎えました。
振り返れば、乾いた風の中を一歩ずつ進んできたような日々でした。
実績も知名度もないまま始まった創業当初。
仕事のない日が続き、それでも「価値あるものを、まっすぐ届けたい」──
そんな思いだけが、心の支えでした。
ある日、宮崎県内で開かれた商談会で、中川政七商店さんと出会いました。
そのご縁が「大日本市」という展示会へとつながり、全国のお客様や、志を同じくする作り手たちと出会うことができました。
また、2018年のその商談会では、有隣堂様が私たちの商品を見つけてくださり、取引が始まりました。
今でこそ、本屋さんで食品を扱うお店は少なくありませんが、当時としては珍しく、心強い出会いとなりました。
こうした出会いのひとつひとつが、今も私たちにとってかけがえのない節です。
やがて、世の中が立ち止まるような春が訪れました。
ひとりきりの会社だったからこそ、なんとか乗り越えられたのかもしれません。 静かな時間の中で、ふと湧いてきた想いがありました。
「自分がほんとうに使いたい文房具を、つくってみたい」 そこから生まれたのが、「ichi-clip」。
そして、初めてのグッドデザイン賞という、思いがけないご褒美。 いま振り返ると、あの静けさにも、確かな意味があったのだと思えます。
もし、創業当初からすべてが順調だったら──
きっと、挑戦する気持ちを失っていたかもしれません。 うまくいかなかった時間、報われなかった努力、
そうしたひとつひとつが、
今の私たちをかたちづくっているのだと感じています。 だからこそ、遠回りをしてきてよかった。
そう、素直に思えるようになりました。
いま、次の十年を見つめています。 あえて急がず、
静かに、ていねいに、
準備を進めています。 まだ言葉にはしていないけれど、
新しい何かが、すこしずつ輪郭を持ちはじめています。 暮らしの中に、そっと馴染むもの。
手にしたとき、心がふっとほどけるもの。 そんな存在を、かたちにしていきたいと思っています。
FOOD──食を通して。
MARK──かたちを通して。
これからも、「あってよかった」と思えるものを、
誠実に、まっすぐに、届けていきます。 これまで出会ってくださった皆さまへ。
そして、これから出会うまだ見ぬ誰かへ。 心からの感謝をこめて。
時折、思います。
会社とは、いったい何のために存在するのだろうかと。 世界の情勢は、一つのニュースで大きく変わる。
自然災害も、いつ起きるかわからない。
そんな不確かな時代の中で、私たちのような小さな存在に、どんな意味があるのか── それでも、誰かにとって、必要なものを届け続けること。
ほんの少しでも、誰かの日常を支えること。 それが、私たちの存在価値だと思っています。 社会の中で果たすべき役割がある限り、
小さくとも、まっすぐに。
私たちは、歩みを止めません。
これが、
ちいさな会社の、ちいさくない約束です。